2019年1月28日月曜日

「プールきらい!」 4歳児、苦手とどう付き合う?

【YMCAマナ保育園】


マナ保育園では4歳児は月に1回プールがあります。
バスでプールに行って50分くらい、3つのグループに分かれて
水慣れから泳法まで水泳のリーダーに遊びながら教えてもらいます。






みんなプールが大好き?いえいえ、そんな事はありません。
回数を重ねても顔に水がかかるのが苦手な子、プールが楽しくない子はいます。

苦手でも楽しさを見つけて大好きになって欲しい、
慣れるうちに苦手でなくなって欲しい、
と大人は願いますがそれは大人の都合です。

苦手が苦手のままのこと、大人にだってありますよね。
でもイヤだから避けていけるか、と言うとそういうわけにもいかないのが現実です。
生きていく上で折り合いをつけていくことが必要なこともあります。


いつまでもイヤイヤとは言っていられないようだ・・・
ということは4歳にもなるとよく分かっています。
パパやママにイヤだって伝えてもらうのももう恥ずかしい、
でもまだまだすずしい顔でやり過ごすことも出来ません。






プールが苦手なある女の子。

プールの日は登園した時から浮かない顔をしていて
プールが嫌なことは表情や態度にばっちり表れていて、
胸も頭も嫌ーな思いでいっぱいなのがよく伝わってきます。
プールの間も無言。水が顔にかかりそうになるのを懸命に顔をそむけて
堪えます。「できない」とは決して言いません。

でも「お顔をに水つける?やるの…?」
と必死に表情でリーダーに訴えています。



そこで保育者ができるのは「がんばれ」と言うことではなく、
「そんなあなたのこと見てるよ」と分かってもらえるよう
関わることかな、と考えています。
がんばる姿しか認めてもらえない、となるとがんばれない時に辛いです。
「イヤだ、助けて」っていざという時言えなくなってしまいます。

子どもたちにはもっとしなやかな強さを身につけて欲しい、
苦手なものは苦手と堂々と言いながら、
周りの人の苦手も「あーあるある、そんなこと」と認めていけるようになって欲しい、


そう思いませんか?


「がんばれ」は時として暴力になってしまうこともあるのではないでしょうか。


ハキハキしていつも元気!でなくてもいい、
ずるいところもあってもいい。
「弱さ」も神さまからいただいたもの。
子どもたちも自分の弱さに気づき、子どもたちなりに
なんとか対処しようとしています。

この女の子も水の中で長い50分を過ごし、
プールからあがると別人のよう。
そそくさと洋服に着替えてけろっとしていました。




「牛乳が苦手」「人前で話すことは苦手」
いろいろな苦手がそれぞれの子どもにありますが子どもたちの力を信じて
日々保育をしていきたいと思います。


          (YMCAマナ保育園  金子)