2025年3月31日月曜日

「危ないけどやってみたい!」とどう向き合う?

  マナ保育園では日常の散歩や園外保育、年長児の富士山キャンプで自然の中で遊ぶ機会がたくさんあります。

長い枝、急な斜面、高い木、炎。

大人が「これ、面白そうだよ!!」と言ったわけでもないのに子どもたちは魅せられたようにこれらの物に吸い寄せられて遊ぶものです。どれも危険を伴った遊び、危険だけどスリルがあって面白い遊びです。



 「危ないよ」「危ないからだめ」と大人が言うのは簡単ですが、やってみないと何が危ないのか子どもには分かりません。危険を自分で判断する能力も育ちません。子どもたちは経験を重ねる中でどうすれば危険ではないのか加減や方法を身に着けていきます。

               


 子どもたちを見ていてすごいなと思うことが2つあります。1つはできるのがえらい、という感覚がないこと。もう1つは惜しみなく技を伝授することです。誰かが作った「これができたらすごい」という基準ではなく自分なりの「できた!」を目指していて、そこに優劣はありません。だから自分の能力を超えて無茶をしないし、惜しみなくやり方を共有するし、できたからといって威張りません。人はこのように危険とつきあいながら共同体の中で助けあってきたのかな、と思わされる姿です。

 

                


                


 最近は安全に配慮した公園も増えてきました。遊具は怪我をしないようにデザインされ、地面は転んでも痛くないように柔らかく、全体として目が行き届き死角がないように設計されています。安心です。でも安心と引き換えに危険とどう付き合うか学ぶ機会が失われてしまっているようにも感じるのです。

 自ら考え、判断し、助け合う。遊びを通してそのような育ちができるように、これからも見守っていきたいと思います。【YMCAマナ保育園 金子】